業務方針等

一括発注について

投資一任口座における一括発注と平均単価取引について(一般社団法人日本投資顧問業協会・平均単価による取引実施のための業務体制等の整備について)

弊社が直接投資形式で受託する投資一任契約のお客様の口座については、投資判断に基づく売買執行をウエリントン・マネージメント・カンパニー・エルエルピー(以下「WMC」といいます。)等の海外関係会社に委託します。

この場合、WMC等においては、国内外の有価証券の現物取引について、お客様の口座を含めWMC等が運用する複数の口座に係る発注を一括して行うこと(以下「一括発注」といいます。)がございます。また、一括発注の適否を問わず、平均単価取引(約定日・受渡日が同一の取引につき、銘柄毎・売買別に、単価の異なる複数の約定を合算し、平均単価を単価として取引報告及び決済を行う取引をいいます。以下同じ。)を実施する場合があり、その場合には弊社からお客様に提供する報告書等にも約定価格を平均単価で記載させていただきます。

投資一任契約における一括発注実務につきお客様からより一層のご理解をいただけるよう、WMC等での売買執行に適用される「Policy and Procedures Regarding Allocation of Trades(顧客間での取引の配分に関する方針書)」を開示させていただきます。

適用においては常に英文が優先します。

投資一任口座において、国内株式取引の一括発注と平均単価取引について、実施を希望されない場合、あるいはご意見・ご質問等ございましたら、弊社担当者までご連絡ください。

 

顧客間での取引の配分に関する方針書

この文書はWellington ManagementのPolicy and Procedures Regarding Allocation of Trades  (May  2023) の全文を邦訳したものです。英文と邦訳の間に差異がある場合、常に英文が優先します。

はじめに

ウエリントン・マネージメントは、複数の顧客口座において同一の有価証券その他の金融商品の注文に売買同じサイドで参加する際に、全ての顧客が公正かつ合理的に取扱われるよう努める。

ウエリントン・マネージメントでは、ポートフォリオ・マネジャーがグローバル・トレーディング部に注文を出す際に決定する発注数量に基づいて顧客口座間で比例配分することを基本として売買取引の配分に関する方針を構成している:当社では、ほとんどの場合において比例配分により公平性が得られると考える。しかしながら、当社は厳格な方式が常に公正かつ合理的な結果を導くわけではないとも認識している。

従って、ウエリントン・マネージメントでは一定の状況に対応するため、公正かつ合理的な方法で通常の配分方法を調整することがある。なお、新規公開株式の配分は、別に定める「新規公開株式の配分に関する方針および手続き」(※)に従う。グローバル・トレーディング部が執行しないプライベート・オファリングの配分については、「プライベート投資の配分に関する方針と手続き」に従う*。

方針表明

ウエリントン・マネージメントは、全ての顧客に対し公正かつ合理的な方法で徐々に売買取引を配分する。

責任と監督

グローバル・トレーディング部は本方針の実施に責任を負う。オーダー・インプリメンテーション・リスク・コミッティは本方針に関する監督を行う。

手続き

一括発注

グローバル・トレーディング部は複数の顧客口座において実質的に同様の条件で同一の証券の購入あるいは売却の注文を受けている場合には、それが最良価格・最良執行の追求に沿ったものであり、顧客の利益のために最良の方法であると判断する場合には、当該注文(例、指値や受信時刻が近い等)を一括し、1社あるいは複数の証券会社に単一の注文として発注する。一括発注が適切であるか否かの判断においては、グローバル・トレーディング部は、個々のポートフォリオ・マネジャーが想定するポジション構築または調整の期限、ポートフォリオ・マネジャーが顧客口座の特定の注文に設定する指値その他のガイドライン、キャッシュフロー、当該金融商品の流動性その他関連する事項等の要因を考慮する。

グローバル・トレーディング部は、取引日において合理的な時間内に受注した場合であって、当初の一括発注に重大な影響を与えないと合理的に判断される場合には、新規の注文を既存の一括発注に加えることがある。それに加え、グローバル・トレーディング部の職員は新規の注文が当初の注文を生じさせる要因となった同じ事象やアナリストの推奨に基づくものであることを了知している、あるいはトレーダーが合理的に推論でき、かつ当該新規の注文が合理的な時間内に受注した場合には、既存の一括発注に追加の注文を加えることがある。あるいは、グローバル・トレーディング部の職員は既存の一括発注を締め切り、既に執行済みの(部分出来の)注文を一括発注に参加している顧客口座へ配分した上で、執行を継続する前に新たな一括発注とする場合がある。

オペレーション上のルール、発注先証券会社の制限などの顧客口座における制約、並びに最低取引単位の制限等により、顧客口座の注文が一括発注とは切り離して取引される場合がある。プログラム取引注文(組織的な形で執行されることを前提とした広範囲の銘柄で構成された注文のリスト)や自動執行チャネルに発注される注文は、グローバル・トレーディング部が当該プログラム取引あるいは自動取引は他の注文に重大な影響を与えないと考える場合、あるいは全顧客口座の公平性の観点から一括発注が必要または適切であるとは考えられない場合には、他の注文とは切り離して取引する場合がある。

比例配分

グローバル・トレーディング部に注文が出される際は、ポートフォリオ・マネジャーは、個別口座毎に取引すべき金融商品の数量を特定しなければならない。以下に記述する場合を除き、複数の口座をまとめて特定の証券会社を通じ執行された注文はグローバル・トレーディング部の職員により比例配分(最小取引単位あるいは取引単位まで)で分配される。従って、各顧客口座は注文全体における各顧客口座の比率に基づいて執行済みの売買取引の一定比率を受け取る。グローバル・トレーディング部は株式の配分の際は原則として単一の平均単価を適用し、債券の取引に関しては、原則として執行価格が適用される。

株式及び債券の単位制限

ウエリントン・マネージメントは原則として、株式の売買取引において、最小配分単位を適用する。顧客口座への配分が最小配分単位を下回る場合には、アルゴリズムにより最小配分単位を下回る顧客口座に無作為に配分される。この無作為ベースの配分プロセスの下では、該当する口座が配分を受ける可能性は、厳格な比例配分の下での配分量に比例する。ウエリントン・マネージメントは、配分プロセスをサポートするシステムが利用できない場合や、グローバル・トレーディング部が最小配分単位の適用は全ての顧客に対し公正かつ合理的ではないと判断する場合には最小配分単位を無効とする場合がある。そのような場合には、グローバル・トレーディング部は上記の「比例配分」に規定される配分手続きに従う。

ウエリントン・マネージメントは通常、発行者が最小取引単位を規定する債券を取引する。アルゴリズムは、債券の売買取引について発行者が規定する最小取引単位を考慮し、注文に入っている全ての口座について比例配分とほぼ等しくなるよう配分する。株式及び発行者が最小取引単位を規定する債券に最小配分単位を適用することは、売買取引を発注した全ての口座が配分を受領できるわけではないことを意味する。それに加え、商慣習、取引規則、法令諸規則等の外的要因が配分の方法に影響を与える場合がある。

可変注文

新発の地方債について、ポートフォリオ・マネジャーは各顧客口座横断的に複数の適切な満期のものを買付注文することができる。TBA先渡市場において取引される政府機関モーゲージ担保証券(MBS)について、ポートフォリオ・マネジャーは、受渡日にデリバーされるMBSの発行期間、年限、クーポン、価格、額面等の一般的特性を指定する。いずれの場合も、アルゴリズムにより各顧客口座に配分される適格な証券の数量を最小化し、比例配分からの乖離を最小限に維持する。

偶発注文

ポートフォリオ・マネジャーは、関連性のある戦略として執行・配分する意図をもって二つの注文を行うことができる。例えば、ポートフォリオ・マネジャーは関連するある証券の売り、別の証券の買いを注文することができる。この場合、注文を出したポートフォリオ・マネジャーにより別段の指定がない限り、最小取引単位の高い証券が先に配分する証券として指定される。その後アルゴリズムにより、結果的に純粋な比例配分とほぼ等しくなるよう、当該証券を顧客口座に配分する。二つ目の証券は、先の証券を配分された口座のみ配分を受けることとなる。

例外

グローバル・トレーディング部の職員あるいはポートフォリオ・マネジャーは、比例配分手続きを含め上記の手続きへの例外措置を請求することができる。例外措置の請求はチーフ・コンプライアンス・オフィサーあるいはその代理者が検討し、状況を確認した上で決定される。ウエリントン・マネージメントが、その例外措置が関連する全ての顧客にとって公正かつ合理的であると判断する場合には、例外措置は承認される。この条項により承認された例外措置はグローバル・トレーディング部により記録される。

*プライベート・オファリングには、一般に、公開市場で発行または取引されないプライベート・エクイティおよびプライベート・クレジット投資が含まれます。グローバル・トレーディング部を通じて実行される債券や株式の私募への参加は、プライベート・オファリングとはみなされず、引き続き本方針の適用対象となります。

最終レビュー:2023年4月
最終改訂:2023年5月

(※)新規公開株式の配分に関する方針および手続き

この文書はWellington ManagementのPolicy and Procedures Regarding Allocation of Equity Initial Public Offerings (February 1, 2024) の全文を邦訳したものです。適用においては常に英文の意味が優先します。

はじめに

一定の市場環境において、株式の新規公開(以下、「IPO」という。)のなかには取引初日の間に大幅な価格上昇を経験する傾向を示すものがあった。その結果、IPO株式を引受会社から購入できることは、貴重な投資機会となりうる。ウエリントン・マネージメントは、かかる機会を顧客間で公平に配分することを特に考慮する方針および手続きを導入した。

ウエリントン・マネージメントでは、多くのポートフォリオ・マネジャーが一つ以上の投資アプローチを用いて顧客資産を運用する。さらに、単一の投資アプローチにおいても、顧客の特別な要請に対応するため、または市場の制約に対応するために、個別ポートフォリオをカスタマイズすることがある。そのため、ウエリントン・マネージメントでは、ポートフォリオ・マネジャーが顧客の受託者として適合性を主観的に判断すること、および当該判断が顧客口座毎に異なる可能性があることを想定している。IPOに関するウエリントン・マネージメントの方針および手続きは、ウエリントン・マネージメントの投資モデル全体に適合するものであり、そのため顧客毎に異なる投資目的、戦略その他の特性に基づき、ポートフォリオ・マネジャーが自己裁量で投資判断を行うという考え方を取り入れている。

方針表明

ウエリントン・マネージメントは、各顧客口座にかかる投資目的、戦略その他の投資に関する特性を考慮しつつ、IPOへの投資を顧客間で公平かつ公正に配分する。

責任と監督

ポートフォリオ・マネジャーは、IPOに関する投資のプロセスおよび手続きの実施に責任を負い、当該ポートフォリオ・マネジャーの上司は、IPOに関する投資のプロセスおよび手続きにつき確認および監督を行う。

グローバルトレーディングはIPOに関するトレーディングプロセス及び続きの実施に責任を負う。オーダー・インプリメンテーション・リスク・コミティはIPOに関して、ウエリントン・マネージメントのトレーディングプロセス及び続きの監督及びレビューを行う。

投資のプロセスおよび手続

IPOの投資配分手続き

IPOへの投資に関するウエリントン・マネージメントの手続きは以下のとおり。

1)ポートフォリオ・マネジャーは、IPO株式の注文を執行する前に顧客口座および口座毎に要請する株数を指定して、ウエリントン・マネージメントのグローバル・トレーディング・グループ(以下、「グローバル・トレーディング」という。)に発注しなければならない。

2)ポートフォリオ・マネジャーが複数の顧客口座のためにIPOに参加する場合において、特定の顧客口座のために当該株式を購入しない場合はその理由を書面で記録する。事業部門および法務・コンプライアンス部門の上席役職者は、当該説明を定期的に確認する。

3)ポートフォリオ・マネジャーは、特定の顧客を他の顧客より意図的に優先してIPO株式の注文を配分することを禁じられる。

取引のプロセスおよび手続き

ウエリントン・マネージメントにおける取引配分の方針および手続きに基づく注文の取扱い

IPO株式の注文執行に関するプロセスおよび手続きは以下のとおり。

1)グローバル・トレーディングは、IPO株式の注文を総計して引受シンジケート団に一括発注を行う。リスク管理措置として、ウエリントン・マネージメントは、一括発注をIPO募集総株数の一定割合に制限することがある。

2)グローバル・トレーディングは、IPOの結果、ウエリントン・マネージメントが引受シンジケート団から受領する割り当てがすべての注文を充足できる場合、執行前の注文数量に基づきIPO株式を比例配分する。しかし、引受会社が会社に割り当てた株数を注文数量が上回る場合、グローバル・トレーディングは、参加口座の間で各口座の「適格運用資産額」に基づき株式を比例配分する。

株式運用口座では、適格運用資産額には通常、口座において投資するすべての資産が含まれる。バランス型または債券運用口座では、ウエリントン・マネージメントにおいては、株式に投資することが予定される部分の総額を適格運用資産額とする。ウエリントン・マネージメントは、当該額の決定に至るまでに、口座の運用ガイドラインや口座における時系列でみた株式投資資産額など、さまざまな要素を考慮する。場合によっては、ウエリントン・マネージメントは、口座の適格運用資産額を当該口座が潜在的に株式に投資できる最大額より低い水準で決定する場合もある。ウエリントン・マネージメントでは各口座の適格運用資産額を定期的に確認する。

配分は最低取引単位の制約を受けることがあり、口座に対する配分数量はポートフォリオ・マネジャーが注文執行前に当該口座について特定した株数を超えることはない。一部の顧客口座への配分が発行の最低取引単位を下回る場合、グローバル・トレーディングは配分プロセスにおいて当該口座を除外し、残りの株式を他の参加口座の間で再配分する。

3)引受シンジケート団がウエリントン・マネージメントのIPO発注総数に対して、全部であれ一部であれ割り当てを行った後は、ポートフォリオ・マネジャーが口座への配分を変更すること、または一つの口座から別の口座へ株式を移すことは禁じられる。

 

改訂日:2024年2月1日