クライメート・レポート2021

2023-11-24
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気候変動は、ウエリントン(以下、当社)にとって引き続き重要な戦略的優先事項です。2021年は多くの異常気象などが発生した記録的な年であり、新型コロナウイルスの感染拡大を除いて、これほど世界の注目を集めた問題はほとんどありませんでした。当社は2021年、気候変動の物理的リスクと移行リスクが市場や経済に及ぼす影響の調査を大幅に拡充しました。本レポートでは、気候関連の監視、調査、リスク管理、エンゲージメント(建設的な目的を持った対話)に対する当社のアプローチの最新情報をお伝えします。また、2050年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」への当社のコミットメントに関する最新情報もお届けします。

当社は 2017年、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の枠組みに賛同しました。当社は、気候変動を長期的な企業財務に対するシステミック・リスクと考えており、TCFDの提言は当社の見解と一致しています。当社は 2018年に気候科学と金融の橋渡しを目的とする、世界有数の独立系科学研究機関「ウッドウェル気候研究センター」(以下、ウッドウェル)との共同研究を開始しました。この共同調査の目的は、気温上昇、干ばつ、森林火災、洪水、ハリケーン、水不足、海面上昇などの物理的な気候の変化や事象が、当社がお客様に代わり投資する証券にどのような影響を及ぼすかについての理解を深めることにあります。

当社は 2020年、「ネットゼロ・アセットマネジャーズ(NZAM)イニシアチブ」に賛同を表明しました。2022年3月末時点で、当社の受託資産の32%以上がネットゼロを目指したカーボンフットプリントの削減の軌道に進んでいます。当社のネットゼロの取り組みとお客様の運用目標は表裏一体の関係であり、当社ではお客様のポートフォリオおよび運用戦略を一つひとつ個別に評価しています。お客様の協力のもとで取り組みをさらに拡大し、重要な節目において進捗状況を共有していく予定です。また、TCFDの提言に沿った情報開示を毎年行うとともに、提携機関を通じて「インベスター・アジェンダ」に気候行動計画を提出していきます。

当社は 2022年初め、米国マサチューセッツ工科大学(以下、MIT)「地球規模の変化に対する科学と政策のジョイントプログラム(Joint Program on the Science and Policy of Global Change)」と気候変動の共同調査を開始しました。共同調査では、低炭素経済への移行に関する調査を拡充し、移行に伴う経済・財務への影響について理解を深め、脱炭素社会の実現に向けた企業エンゲージメント活動を一層強化します。気候科学を理解することは、当社のスチュワードシップ責任の活動や投資の意思決定の強化につながると考えます。

当社は、上場および未上場企業の気候変動への適応策と緩和策の取り組みついて調査の幅を一層拡大しています。さらに、エンゲージメントを通じて、投資先企業に科学的根拠に基づくネットゼロの目標設定と進捗の測定を働きかけています。また、当社も企業として温暖化ガス排出量を削減する新たな方法を模索し続けています。これらの気候関連の取り組みは、当社のサステナビリティ(持続可能性)の取り組みやミッション、およびパーパス「お客様への卓越した資産運用の提供を追求し、何百万人もの受益者の生活にプラスの影響(インパクト)を与える」の実現を目指す上で極めて重要と考えます。

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ジーン・ハインズ

最高経営責任者(CEO)
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ウェンディ・クロムウェル

サステナブル・インベストメント・ヘッド
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クリス・グールゲイジアン

気候リサーチ・ディレクター